UPDATE: 2019/11/07

eスポーツ市場で成功させるための秘訣とは

横浜ガジェットまつりで開催したパネルディスカッション

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 10月27日、横浜ガジェットまつり2019のイベントの1つとして開催された「第27回横浜ITクラスター交流会」が、京セラみなとみらいリサーチセンターにて行なわれた。

 横浜ITクラスター交流会とは、横浜経済の発展を目的に新横浜地区で活動を行なってきた「新横浜ITクラスター交流会」を発展的に解消し、2013年に民間有志が横浜市経済局や横浜企業経営支援財団と連携し設立した任意団体。年4回の交流会の企画運営を起こっており、新横浜時代から数えると16年間で67回にも上る。

↑「新横浜ITクラスター交流会」の吉川淳一郎委員長

 今回のテーマは「先端技術・デバイスが変えるeスポーツの未来」と題したパネルディスカッションで、モデレーターは当編集部のガチ鈴木が務めている。ラグビーワールドカップの興奮がまだ冷めやらないが、来年はオリンピックも控えておりますます、スポーツ熱が盛り上がっていくだろう。

 そんななか、新たなスポーツとして注目されているのが「eスポーツ」だ。海外ではすでに大規模なeスポーツ市場が確立されており、国際大会では数億円規模の賞金が用意されている。その波がようやく日本にも波及しはじめており、今年の第74回国民体育大会“いきいき茨城ゆめ国体”の文化プログラムとして「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI」が開催。これからますます普及することが予想され、どんどん大きなビジネスになってプレイヤーが増えていけば、パラダイムシフトが起きると考えられている。

■eスポーツの市場感と世界の動向
↑ デロイトトーマツ フィナンシャルアドバイザー合同会社のeスポーツ活況分析担当・金田明憲氏

 まずは、デロイトトーマツ フィナンシャルアドバイザー合同会社のeスポーツ活況分析担当である金田明憲氏が登壇し、eスポーツの市場感と世界の動向について語られた。

 eスポーツとは、あくまでゲームであり、ゲームを使ってのスポーツ競技だ。たとえば、サッカーやバスケットという競技は、それぞれのルールのなかでお互い競い合うもの。eスポーツも同じで、ゲームのなかのルールに従ってお互い競い合う。戦うフィールドが違うだけで、ゲームとスポーツの間の子と表現されることが多い。

 日本と世界とでは、市場の構成が違っており、日本だと「ストリートファイター2」などの格闘ゲームやサッカー、野球、パズルゲームなど、アーケードゲームやコンシューマーゲーム機で遊んでしたゲームが中心。一方世界だと、「Call of Duty」や「FORTNITE」といったFPS/TPSゲームや「League of Legend」や「DOTA2」といったMOBA(チーム制の陣取りゲーム)、「Age of Empire」などのRTS(リアルタイム戦略ゲーム)が中心で、ゲーミングPCを使ってプレイするのが一般的だ。

 なぜ、このような違いが生まれたかというと、日本は任天堂やソニーといったコンシューマーゲーム機市場が強く、ゲームを始める切っ掛けがコンシューマーゲーム機であることが多い。これに対して海外は日本より先にインターネットのブロードバンド化が早く、2000年代前半にeスポーツという文化が発生していて、ゲームをやる環境が全く違ってきたためだ。

 2019年における世界のeスポーツ市場規模は、10億9600万ドル(約1200億円)規模で、Jリーグと同じ規模と言われている。ただ、スポンサーシップやメディアライツなどがあり、ゲーム業界とかウェルネスなどと紐付けられているため、eスポーツの興行だけでなく、さまざまな広がりを捉えられる。だからこそ多くの人が興味を抱いているのである。

 一方、2018年の日本のeスポーツ市場規模は約48.3億円。これは横浜Fマリノスの売上程度だ。それでも2017年の約13倍に急成長しており、スポンサー収入が75.9%も占めている。これは、若者や今までリーチできなかった層へアプローチしたいためだ。そのなかで、選手が育ち環境が整いゲームが生まれてくることで、市場全体が盛り上がっていくと考えられている。

 
↑ 世界のeスポーツ市場の規模と日本の市場規模。日本はまだまだ小さくスポンサーに頼っている状態

 なぜこんなにeスポーツが注目されているのか。いちばんにはボーダーレスなスポーツであること。老若男女や障がいの有無、国籍問わず対戦できる。また、オンラインでもできるため、会場設定の自由度が高くコストも抑えられること。最先端技術が利用されることが多いため、それをアピールする場にもなること。そして、娯楽だけにとどまらず教育や健康、福祉といった社会的な活動にも結びつく点だ。

 もちろん、懸念される材料もある。今年は国体でも使われ、認知度がアップしているが、それでもスポーツとしての理解は低かったり、やはりゲーム中毒を心配したり、ゲーミングPCを買う必要があるので、それなりの投資が必要だったりする点だ。このあたりは、まだまだ検討の余地がある。

↑ eスポーツ興行を取り巻くステークホルダーは、基本的には他のスポーツと同様であるもの、
パブリッシャー(ゲームメーカーなど)の存在が普通のスポーツと違う

 Jリーグは昨年より「eJリーグ」を開催し、実在のクラブを対象としたモバイルゲームと組んで、リアル競技のファン創出や接点拡大の意図を強化している。これは、これまでスタジアムへ観戦するきっかけとなることを期待しており、リアルな顧客の裾野を広めるための施策だ。

 また、NPBは昨年より「eBASEBALL」を開催。おもしろいのが、野球ゲームの「実況パワフルプロ野球(パワプロ)」だけでなく、まったく関係のない「スプラトゥーン2」を使っているところ。野球のファンは年齢層が高くなってきており、若い層に野球を知ってもらうきっかけにしている。全員にリーチしなくても、何人か興味持てもらえばいいと考えている。

 最後に金田氏は「ここまでの話は、あくまで市場の原理に当てはめた場合であり、実際にはまだまだ整備されておらず、いろいろな可能性を秘めています。たとえば、サッカーのようなスポーツはピラミッド構造が確立していますが、eスポーツはそういう構造が現状ありません。大会に参加したいときに、参加する選手が信頼できる人なのか、登録して大丈夫なのかということが明確ではありません。そんなときに、デジタル空間上で過去の成績を分析することで、信頼たる人なのか判断できるということが可能になります。既存のプレイヤーの間や裏側、外側にいろんな可能性が秘められているため、いろんなプレイヤーが注目している市場だとご理解いただきたい」と語った。


■eスポーツとつながるサービスを提供する3社のパネリストたち

 続いて、eスポーツやスポーツに関して、新しいサービスをつくっている企業の3人が登壇。金田氏も加わり4名でのパネルディスカッションが行なわれた。まずは、登壇する3人が手掛けている事業について、簡単に紹介しよう。

↑ double jump tokyo株式会社 My Crypto Heroes プロデューサー 石川駿氏

 ブロックチェーンを使ったゲームを手掛けており、スマホやPCで遊べるMMORPG「My Crypto Heroes」を開発。サービス開始からもうすぐ1年になり、登場以降、取引高・取引量・DAU(1日あたりのアクティブユーザー数)が世界1位を記録。現在は約7000DAUでユーザー登録数は7万人となっている。世界でもちらほらとブロックチェーンゲームが出ているが、No.1を維持し続けているという。

 歴史上のヒーローを操り、クエストやプレイヤーどうしでの対戦を行ない、経験値やレアアイテムを手に入れ育てていくのが基本的な遊び方。月額約2000円のサブスクリプションに登録しているのが3500人おり、DAUの50%を占める。ユーザー数は、ほかのゲームに比べれば比較にもならないが、少ない人数ながらも、かなり熱心にゲームをやっていることがわかる。累計売上は約3億円だ。

 石川氏はブロックチェーン技術をゲームで使う意味として「新しい技術はゲームやアダルト系で世間に広まりやすいからです。これまでのソーシャルゲームで悲しいところは、サービスが終了するとすべてを失ってしまうところ。ブロックチェーンゲームなら、たとえ終了しても、キャラクターやアイテムは生き続け、ほかのゲームで使うことも可能となります。現在3つのゲームを製作中で、2020年ごろにはもっと広がるのではと思っています」と語った。

↑ よむネコ代表取締役社長の國光宏尚氏が「オアシス構想6カ年計画」として、
VRによって現実世界の制限を突破し、人々がより自由に生きる世界を創造すると発表。double jump tokyoも協力している
 
↑ MedVigilance株式会社 代表取締役 コウ ソウ

 MedVigilanceでは、既存のモジュールを採用して人間につけるセンサーを開発しデータを取得する事業を行なっており、主に保険会社やフィットネスクラブ、医療やリハビリ関係などと取引。筋電計「PULSTONE」やウェアラブル端末「LANCEBAND」、体組成計、電動歯ブラシといったものを開発している。また、アプリケーションも開発しており、VR系や健康系、Livelog.ioという健康データを集めるサーバーなども運営している。

 いま注力しているのが、eスポーツをより良いものにすること。すでに、大手フィットネスクラブと協力し、PULSTONEを利用してeスポーツが行なえないか研究している。体中にセンサーを付け、体の動きと力で、ゲームを操作できるようにすることで、観戦者への熱量を伝えやすくすること。

 いまのゲームは指先の戦いがほとんどで、映像からだけでは一般人にはゲームの激しさと選手の緊張感が伝わりにくい。普通のスポーツだと、動きがあり体全体を使って戦っているので、常に熱量が見え伝わりやすく、観戦している人も感動しやすい。

 体全体がコントローラーになれば、ゲームをやっている人の熱量が伝わりやすくなり、共感しやすくなると考えている。コウ氏は「中国のeスポーツ市場は、ホットマネーに恵まれ、ゲームも選手も経済圏もとても潤っており、普通のスポーツ選手とそん色ない収入を得ている。とはいえ、まだまだ収入が少ない人たちが多いため、もっと発展させるために、指先での戦いではなく、体全体がコントローラーとなるシステムを開発していきます」と語った。

↑ 両手、上半身、頭にセンサーを取り付けて、コントローラーとマッピングする
 
↑ 株式会社meleap CEO 福田浩士氏

 meleapはARを使った「HADO」という新しいスポーツを開発している。ヘッドマウントディスプレーをかぶり、腕にセンサーを付けて、エナジーボールを撃ち合い、得点を競うゲームで、3対3のチーム戦で行なう。2016年から世界大会を開催しており、スポーツ大会として世界各国のチームが集まって優勝を目指している。

 福田氏は「このようなARを使ったゲームをmeleapではテクノスポーツと呼んでいる。従来のスポーツはアナログスポーツ。その後、工業世界と連携したモータースポーツが生まれ、そして情報社会となったいまは、さまざまな技術を活かしたスポーツ、それがテクノスポーツです。サッカーにしてもモータースポーツにしても数兆円規模の市場があリますが、テクノスポーツは、その市場規模になりうると考えています」と語った。

 AR活用するのには理由がある。1つは直感的で誰でも楽しめる点。言葉の必要もなく、見ただけで理解できるので、世界展開もしやすい。そしてもう1つは、ARプラットフォームの普及だ。スマホはもちろんメガネタイプのものも開発中で、誰もがもっている時代になるからだ。

 現在、HADOができるフランチャイズ店舗をたくさんつくることを目指している。大会を運営しており、プロリーグ化して観戦者を増やそうとしている。ファンがたくさんつくことで、観戦ビジネスが生まれマネタイズが可能となり、サッカーを超える市場も実現可能だとした。

↑ 2021年に日本でもプロリーグを立ち上げる。それぞれの国に無償でライセンスを渡して、
各国に普及させ、FIFA的な立場で運営することを目指している
 
■先端技術・デバイスが変えるeスポーツの未来とは

 

 ここからは、金田氏を含めた4名によるパネルディスカッション「先端技術・デバイスが変えるeスポーツの未来」が行なわれた。モデレーターはガチ鈴木だ。

――金田さん、3社の事業内容を聞いてみて感想はいかがでしょう

金田氏(以下、敬称略):3社の目指しているところは、2つのキーワードで表せるかと思います。1つは「垣根」で、いかに技術によって間口を広げていくか。ブロックチェーン技術やセンサー技術、AR技術などによって、いかに垣根を下げていき、私の話した市場外をも取り込もうとしていると思いました。2つ目は「感情」で、スポーツの売りは感情を動かすこと。それによって、チケット購入やスポンサー料につながります。eスポーツがそこまで近づいてきているなと感じました。

――みなさん観戦するビジネスの拡大について話されていましたし、感情はコウさんが数値化していくかもしれませんね。新技術により新たな市場を生み出していますが、スポーツはもちろん、既存の何かと結びつけるための秘訣は何でしょう。

石川氏(以下、敬称略):大きい流れとして、いろんな技術が発達したことで、衣食住だけでなく、機能的価値が相対的に下がってきています。そんななかで、感情的価値が上がっていくことで、ゲームやスポーツといったエンターテインメントの価値が上がっています。それがアナログスポーツやゲーム、eスポーツなのだと思います。

HADOの話を聞いて、誰が見てもすぐわかる世界感が羨ましいと感じました。私の場合、ブロックチェーン技術とゲームを結びつけましたが、どう説明しても分かりづらいのが難点です。組み合わせる秘訣としては、ファンを増やすしかなく、SNSなどを通じて広めていくしかありません。まだ、ほかのARやVRよりは市場規模が小さいため、ユーサー自身がトッププレイヤーとなり、インフルエンサーになって発信していってくれればと思っています。

――ブロックチェーン技術は仮想通貨で投資的なイメージが付いてしまったため、マイナス面のほうが強くなってしまいました。ただ、ゲームになってくると、たとえば、モンハンの武器がドラクエで使えるようになる、そんな世界になる可能性が出てくると、ワクワクしてきますよね。コウさんはいかがでしょう。

コウ氏(以下、敬称略):既存の大きい産業の一つを尖らせていくこと。感動もそうですし、価値もそうですし、感情を爆発させることが重要です。どんな技術もそうですが、たとえば30年前にIBMがマシンを開発したけれども、それを動かすソフトが使いづらく、マイクロソフトがOSをつくったり、ゲームとブロックチェーンを結びつけて既存の価値を維持させたり、既存のゲームに感動を及ぼすようにしたりなど、1つのポイントを尖らせることが秘訣だと思います。我々の場合は、高齢化社会により人間の健康なライフスタイルがいずれ価値に結びつきます。そのためにセンサーを開発しています。

――組み合わせる秘訣ではなく、組み合わせる先が重要になってくるのではと感じました。続いて福田さんお願いします。

福田氏(以下、敬称略):ARとVRはどこにビジネスチャンスがあるのかよく聞かれますが、私自身はそのことに関して興味がないんです。基本的にやりたいことに対してどんな技術を使うか決めるのが重要だと考えています。我々の場合は「かめはめ波を撃ちたい」ですし、たとえば「自動運転をしたい」、「新しい働き方をしたい」というのもあるでしょう。それに対してどんな技術が必要なのか、現時点で実現できるのかを判断し、一歩一歩進んでいくというのが私の感覚です。

 HADOをつくったときは、「かめはめ波を撃ちたい」という気持ちでつくりましたが、これは運動になるなとか、コミュニケーションツールとしても使えるなとか、あとから気が付きました。さまざまな人に体験してもらうことで、新たな発見があります。なので、ゲームを楽しむだけでなく、さまざまなコンテンツとして広げようと模索しています。

――つくった時点では想像できなかった世界が広がっているということですね。

コウ:今回の3人が組み合わさると、ものすごいおもしろいことが、できるかもしれませんね

福田:まったく違う分野なので、おもしろいものが生まれる可能性がありますね。

石川:そうですね。たとえば優勝したらアイテムが他の人に手渡され受け継ぐようなことができるかもしれませんね。デジタルの世界で、優勝者が使っていたアイテムなどというものは、ブロックチェーンを絡めると、そこで使われたものという証明ができるのでぜひ使ってもらいたいです。選手が持っていたものを販売するというマネタイズにもつながるのではと思っています。

金田:大企業とベンチャーの大きな違いは意思決定のスピードとリスクをどこまで取るかだと思っています。いまのお話を聞いていると、自分がないものは何なのか瞬時に判断して、どうにかしたら補完できるのではと、現場で判断していくアジャイル的な思想なんだと思います。これが、一度持ち帰って1ヶ月後にとなると、他に新しい技術と出会ったりしてしまいます。このため、デジタルの世界というのは、現場でいかにアンテナを立てて、発見できるかというのが重要なのだと思いました。

――eスポーツの広がりについて、今後どうなると思っていますでしょう。

石川:ゲームやeスポーツで多くの収入を得られる人というのはごくわずかです。ところがブロックチェーンゲームの場合は、eスポーツが1億円を1人が稼ぐのに対して、100万円を100人が稼げる世界だと思っています。これは、プロ選手が生まれるというより、サラリーマン選手が出てくるイメージですね。稼げないというのをこのブロックチェーンゲームが支えてくれるのではと思っています。

コウ:このままでも10年はどんどん成長していくと想います。eスポーツではないサッカーの中継は色んな角度から見られたり、テニスの中継で判定に高度な技術が投入されたりと、見せ方が昔と変わってきています。今後、センサー技術を使って、たとえばメッシ選手がリアルタイムに感じている感覚を体感できるシートができるかもしれません。そんな体験ができるようになれば、いくらでも払う人はいるはずです。

――ARやVRは、視覚はあるものの触感が弱いので、センサー技術によって実現できるのでないでしょうか。

福田:eスポーツの課題は、やったことのない人が現状入りにくいところだと思います。いかに、プレイしたことのない人を巻き込めるのか考えていかなければならないと思っています。HADOもそこを解決しようと頑張っています。eスポーツの大会は、ゲームだけでなく、お客さんをいかに楽しませることができるかライブエンターテイメントとしての意識が重要です。また、観戦するのもゲームに参加しているような感覚にさせる仕組みづくりも必要だと思います。

 またeスポーツプレイヤーのキャリアについてもちゃんと考えていかなければなりません。引退したあと、稼げるのか? ゲームは反射神経の世界でもあるため、20代後半になると、もう引退になる可能性もあります。そのためしっかりとしたキャリアビジョンを描いていかなければなりません。プレイヤーは勝つことで、ファンが確実に付いたり、タレント性や人の良さに魅了されてファンが付いたりします。それは、引退してもファンが付いてきてくれ、何らかの活躍ができる仕組みを考えていきたいですね。

――「自分ごと」というのは重要だと思いました。eスポーツと自社の技術を結びつけるには何が大切でしょう。

金田:将来を考えたとき、これまでのスポーツは普及があって、育成があって、強化があって、儲けがあるというピラミッド構造です。上で儲けたものを普及・育成に使って成長させています。成長には連続的と非連続の2つがあり、まずは連続的な成長を目指すべき。一方非連続の成長は、黒船やDAZN、世界大会などであり、それを連続に取り込んでいくことも重要になると思います。

 自社のビジネスにいかに結びつけるには、理解と腹を割って話すこと。スポーツの世界はアクティベーション(広告宣伝モデル)だけで成り立ってきました。でも今後は広告露出だけでは無理で、そうなったとき次の課題は、自社の中にしかないと思います。まずは自分の課題を知った上で、eスポーツの人に課題解決できることを訴えれば、合意に近づけるかもしれません。

――アディダスは服や靴だけでなく、スポンサードしながら選手からデータをもらって、次の製品開発につなげています。スポーツ業界は広告モデルを変えていく必要がありますよね。では最後の質問として、いま注目しているものは何でしょう?

金田:5Gを注目しています。垣根をなくすという意味で休日に稼働しない施設や店舗、地方の過疎化など、5Gでレスポンスが速くなり、ARやVRがからむと、実際に行なわれていない試合が離れた場所で観戦できるようになります。これまでは国立競技場といった人が集まる場所の価値が高かかったものが、全然違った場所でも感動が生まれれば、人も集まるし地方のチャンスにもなると思います。

石川:ARですね。現実の世界にARで見えているものはデータなのですが、データは価値がないと言いつつ、AR上で写っているデータには価値があると思っています。それは金銭的な価値ではなく、感情的な価値で、ARと感情的価値との紐付けに注目しています。

コウ:仕事として注目しているのは、何歩以上歩いたら保険が安くなるとか、これまでにないシステムですね。健康のライフスタイルは、これからの高齢化社会において価値があり、社会貢献にもつながると思います。健康を数値化して指標となるよう目指します。

福田:視聴者参加型ライブエンターテインメントです。eスポーツやスポーツに限らず、ライブエンタメがすごく盛り上がっている感覚があります。ネットだけでなく、集まってお祭り感覚で楽しめる場が求められていると感じています。かつ見るだけだけでなく、自分も参加していくことで影響をおよぼすことになれば、「自分ごと」になってくると思います。単純にいうと、賭け事はその1つで、日本では違法になるため海外でやってくというのはあります。ほかにも好きな人を応援するツールだとか、いろいろな切り口があるのではと思っています。また、最近はVtuberを観るために観客が集まって応援しています。生身の人間ではできない演出もできるし、それをARやVRと結びつけることで、ライブエンタメがもっとおもしろくなると思っています。

――ありがとうございました。


 
■関連サイト
 横浜ガジェットまつり2019

 

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