Navigation Button

UPDATE: 2018/08/27

リアルな地域課題がビジネスを創出

(左から)甘利さん、田邉さん、細川さん

日立社会情報サービス 経営企画部 経営企画グループ 主任 田邉 恵子さん
日立ソリューションズ ITプラットフォーム事業部 運用管理システム本部 プロダクトビジネス部課長 主任技師 細川 育子さん
日立ソリューションズ ITプラットフォーム事業部 運用管理システム本部 事業戦略部 主任技師 甘利 理子さん

日立製作所で、ITを分かりやすく親しみやすくするために数年前から活動する少人数ユニット女優部の取り組み。そこから派生し、グループ内外の交流活動を進めようと取り組む3人に、横浜のコミュニティ活動の現状や可能性を聞きました。(文中敬称略)

■情報量が業務やアイデアを豊かに

-他企業との人材交流をどのように進めていますか?
田邉(日立社会情報サービス):
新規事業担当者向けのビジネスイベントや勉強会は、横浜だと数が限られているので東京のイベントに参加することが多いです。実は「東京のイベントを通じて、横浜の企業同士で名刺交換をする」場面が結構あるのです。ちょうどそんな時、横浜市のイベントを通じてMM(横浜みなとみらい地域)の他社社員さんと知り合えたこともあり、昨年、昼休みに近隣の他企業との勉強会「横浜ランチョンセッション」を実施しました。当社グループと競業関係にある企業の方々も参加しましたが、当日は個人ベースで打ち解け、企業としての壁はあまり感じませんでした。社内初の取組みであったこともあり、最初は社内の理解を得ることに苦労しましたが、今年は社内から「またやらないの」と声をかけてもらえるようになりました。最近は新規事業への取り組みを背景に、会社からも地域を視野に入れた活動について後押しをしてもらっています。ここ数年、社外アイデアの重要性についての認識も変わってきました。こうした動きをさらに他の企業とも協力して、より一層広げていきたいと思っています。
-横浜市が進めるイノベーターズコミュニティ構想への期待は?
甘利(日立ソリューションズ):社外とのやりとりも多いのですが、多くの情報を背景に持っていると話が豊かになり、製品説明なども変わります。仕事に直接関係ない会話から、ビジネスのエッセンスが見つけられることもあります。コミュニティ活動は刺激がありますが、自分の技術力をどこまで出していいか、同業他社とどうウインウインの関係になるか、個人ベースだと難しい面もあります。イノベーターズコミュニティは市が関わる活動として、皆がちゅうちょせず参加できる仕組みになるといいのではないでしょうか。
細川(日立ソリューションズ):育ちも住まいも勤務も横浜で、愛着があります。高齢化が進む地域もあるので、シニアも含めたコミュニティ活動で横浜が活性化していくといいのではないでしょうか。例えば元気なシニアの技術やコネクションを生かした活動ができれば、自分の将来の参考にもなります。
田邉:イベントが東京一極集中となっている中で、横浜の企業人同士が東京で名刺交換するような〝違和感〟を解消するためにも、横浜で活動できる場ができるとありがたいです。とはいえコミュニティ活動も「会社があるから」とか「住んでいるから」という理由で活動するというよりも、活動する人自身がその地域活動に魅力を感じていることの方が重要です。継続的に活動して来たことで、結果的に地域活動に関心がある者として社外から声をかけて頂けたり、社内での認知向上につながったのだと思います。また個々のコミュニティの活動がそれぞれの内部だけで完結してしまうことがあるので、横の広がりを持つことで全体としての活動を加速させていくことも大切です。

■リアルな地域課題がビジネスを創出

-ITは地域課題をどう解決していくのでしょう。
田邉:横浜市が抱えている地域課題に対し、ITのニーズがあると聞いています。ITというと難しく捉えられがちですが、チャットやメールのように当たり前にあるものを使って解決できることもたくさんあります。福祉分野でのITのニーズに対して業務に直結するような話もありました。情報をいただければ私たちの持つ知識やノウハウで解決できるものがいろいろあるのではと感じます。
細川:ビジネスを生み出すのに難しいのは課題の設定です。自分で想像し、そこに向かって組み立てますが、自分が考えたものだと都合よく変化させてしまうことがあります。リアルな地域課題だとぶれずに考えられ、上司への説得力も増します。
甘利:明確な需要がある、ターゲットを絞れるということは貴重です。広く受け入れられそうなものはリアルでないため、意外と誰にも響きません。私たちも地域の生の声が欲しいですが拾えていません。ITはBtoBが主だと考えられがちですが、モノからコトへ消費がシフトしていく中でBtoBtoCに向かっていくことが大切です。交流の中でそうした情報を得られる期待感はあります。
田邉:社内のエンジニアへヒアリングをした際に、自分たちの開発したシステムを使っている人が見える環境で仕事をしたいというニーズがあることが分かりました。弊社では横浜出身の社員が多いので、身近で愛着のある横浜に関する仕事をやってみたいという声も聞きます。
細川:「使っている人の姿が見えること」はエンジニアにとって重要です。そこにあるリアルな課題に対し、具体的に提供する技術の見通しを立てやすくなります。それがやりがいになり、いい製品作りにつながります。
-コミュニティづくりのアイデアはありますか?
細川:交流から一歩先に進めるには、資金面など事業実現に向けた具体的な議論が必要ですが、そうした連携のあり方についてはなかなか答えが出ません。「こんなものがあるといいよね」で終わらせず、投資家を入れるとスピード感や推進力が増すのではないでしょうか。
甘利:行政が旗を振っている取り組みに、企業としてどう関われるかをアピールできると良いと思っています。企業側もトップダウンだと、個々のつながりで発信するよりも、一層動きやすくなります。
―ベンチャー企業との連携についてどう考えますか。
田邉:横浜市主催のセミナーで、中小企業やベンチャー企業が大企業も参加するコミュニティへの参加をちゅうちょされているのでは、と感じる場面がありました。私たちにとっても自社では持ち合わせていない技術やアイデアを知るきっかけになるので、フラットな関係で交流を深めていけたらと思います。
甘利:大きな組織だとスピード感に課題があります。ベンチャーならではのスピードと技術、大企業の強み、そして資金のバランスがうまくとれれば、日本発の良いものができるのではないでしょうか。
細川:社外と触れ合うことで自社や自分の強みを知ることができます。リアルな学びは成長につながりますので、発想や着眼点など、ベンチャーや公共に携わる方からの学びは大きいと考えています。連携を通じて「メイドイン横浜」が実現できればいいと思います。

【プロフィール】
田邉 恵子さん
日立社会情報サービス 経営戦略本部 経営企画部 主任
情報通信分野のシステムエンジニアを経て、現在社外向けブランドや情報発信コンテンツのマネジメントを担当。

甘利 理子さん
日立ソリューションズ ITプラットフォーム事業部 運用管理システム本部 事業戦略部 課長
各種製品、ソリューションの開発、拡販を経て、現在、運用管理製品事業の戦略企画を担当。

細川 育子さん
日立ソリューションズ ITプラットフォーム事業部 運用管理システム本部 プロダクトビジネス部 課長
各種システム、製品のソフトウェア開発に従事。現在は、運用管理製品のソフトウェア開発のマネジメントを担当。

(左から)甘利さん、田邉さん、細川さん

(左から)甘利さん、田邉さん、細川さん

SEE ALSO